2011年10月27日

ケアライフバランスと住まい方


高齢者専用賃貸住宅(略して高専賃)の見学に行きました。

『ハートランド西淀川』は高齢者専用の賃貸住宅で
介護を要する人が主に入居されています。

介護サービスは形式的には訪問介護ということになりますが
実際はスタッフの方が行われています。

以前、高専賃の取材に行った3年ほど前には、
入居条件が厳しく、胃ろう(チューブで食べ物を流し込む)の人
認知症の人は入居できないところがほとんどでした。

「一番行き場のない人が行けなくて、何の意味があるのか」と
特養入所待ちの解決策というふれこみを疑問に思ったものです。

今回驚いたのは、これまで敬遠されてきた医療の必要性が高い人
認知症の人も受け入れているということです。

これまでは在宅介護として限度額の縛りがある高専賃では
こういった人の受け入れは難しいとされてきました。
特別に別途サービス費として加算して受け入れるなど
入居できても費用負担が大きくなったのですが…

医療機関との連携により、医療保険での訪問看護と組み合わせ
対応しているそうです。
高額な入居金も必要なく、特養と変わらない負担で入居できる
費用設定になっています。

老人ホームとの違いは、ひとつ。
「ここは老人ホームではないので、随時対応はできません」
ナースコールなどでいつでも呼び出せるのではなく
あくまで在宅として、ケアプランに合わせて
掃除、洗濯、食事介助など必要なだけのサービスを
提供しているそうです。

それでも、健康状態が悪くなってきたときや
かなりの高齢で介護度の高い方の入居の場合には
「看取り」について相談をして、
ここでの看取りを希望される場合には
最後まで対応されるそうです。
もちろん、看取りのケアプランによって
手厚い介護や看護が受けられるようになります。

スタッフの皆さんは、特養や老健の勤務経験者も多く
落ち着いた対応で、見ていて安心感がありました。
認知症対応のフロアを見学しましたが、
ユニットの食堂に集まられた皆さんは楽しげで、
スタッフの方と和気あいあいという雰囲気でした。

私は介護に色々な形態があってよいと思うのです。

家族が在宅で介護を行う場合、介護する側の
ワークライフバランスが大切だと家族会でお聞きしました。

同じように、介護をどれだけ他の人にお願いするか
一緒に住むのか、別に住むのか、どの程度介護するのかという
ケアライフバランスということも、家族は考えなければ
自分の生活を無くしてしまうと思います。

別々に住むとしても、同じ地域や同じ町で住めれば
仕事と介護と自分の生活というバランスを取れないでしょうか。

今までのような、施設か自宅かという選択ではなく
ニーズに合わせて選ぶことができればよいと思うのです。

ハートランドを運営する株式会社川商の会長は
しっかりした企業理念を持っておられます。
それが、スタッフの皆さんに浸透していると感じました。

民間企業は営利目的だからと色眼鏡で見られがちです。

そういえば在宅看護研究センターLLPの村松代表も
最初に開業ナースを提唱されたとき、看護を売り物に
するなんてと批判されたそうです。

でも、私も非営利ではなくて
きちんと世の中に役に立つ仕事をしたいと思います。

いっぱい仕事して、その中で素敵な人に出会いたい!




posted by 諾 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月23日

福島にこらんしょ


先日福島に行った時に、「こらんしょ」に
泊めていただいたという話をしましたが、
今回は「こらんしょ」の宣伝を勝手にやってしまいます。

まず、正式な名称は…

セカンドハウス「よりどころ」inふくしま
『ここさ こらんしょ』

こらんしょ外観.jpg

「ここさ、こらんしょ」は「ここへ、いらっしゃい」の福島弁です。

在宅看護研究センターLLPの村松代表が、3.11の地震の後
息の長い支援を行うために設立されました。

福島市内の静かな住宅街にある、ごく普通の住宅です。
玄関に手作りのかわいい看板がなければ、誰もここが
特別な場所とは思わないでしょう。

看板.jpg


原発の警戒区域で避難生活をされているご家族
津波や地震で家を失ったご家族
そんな中で在宅医療が必要で、避難所生活や仮設住宅での
生活が難しい方が、一緒に寄り合って暮らす場所です。

自分の本当の家ではないけれど、
いつでも行って泊まれるセカンドハウスとして、
心と身体のよりどころとして
作られました。

これまで在宅で療養していたのに、在宅療養ができず入院している
治る見込みのない末期の病人をできれば自宅で看取りたい
そんな方を介護する人と一緒に
ここで受け入れるためです。

全国からボランティアの看護師さんが来て、そんなご家族を
しっかりと支えるのです。
もちろん中心となるのは地元の在宅看護の皆さんです。

私はもちろん初めて訪問しましたが、自分の家や実家に帰ったような
ほっとして寛げる雰囲気がありました。
普通の家だからです。

隅々まできれいにお掃除されて、玄関には季節の野花が飾られています。
茶の間には掘りごたつがつくってありました。
こらんしょ居間.jpg


台所は広くて明るく、お風呂もゆったりした湯船で
きっと手足を伸ばしてゆっくりお湯に浸かってもらおうという
心遣いなんだろうなと感じました。

こらんしょキッチン.jpg

こらんしょ浴室.jpg


私たちは「こらんしょ」にただ泊まりに行ったわけではありません。
村松さんからしっかりA41ページ分の文書による指示を受けて
備品の移動、12日からのご入居に向けての最終の整備を
しなくてはなりません。

指令書をリーダーの細井さんが読み上げ、さっそく行動開始。
備品の移動を終え、お茶を入れる堤さん。
指令書には、頂きものの梨を食べることもあったので
それもクリア。

ふかふかのお布団を掘りごたつを囲むように敷いて
あっという間に、眠りについたおかげで
翌日の起床時間6時には自然に目が覚め、5人で分担を決めて
仕事を済ませます。

私は朝ご飯担当。冷蔵庫にある食材とたっぷりの果物で
豪華な朝ご飯になりました。

朝ごはん.JPG


おかげで、私は次もお料理当番として「こらんしょ」の
ボランティアスタッフの座を獲得できました。

次なる指令は、生ごみ出しと観音様にお目にかかること。
指令書を片手に、全員でミステリーツアーです。

最初のミッションは簡単に終了。
次は観音様。
スタート地点のコンビニでぐるりとあたりを見回すと
ありました、五重塔!

gojyuunotou.jpg


右手に見ながら、歩いていくと思った以上に立派なお寺が。
五重塔は新しくてピッカピカでしたが
本堂と観音堂は古くて由緒ありそうです。

そこへお寺のご住職さんがお掃除に見えて、私たちのために
お堂を開けてくださいました。
ひとつひとつ説明もしてくださって
最後のミッションである観音様のお顔も拝見できました。

観音像.jpg

「このお顔、代表に似てない?」
「あー、似てる!!」
「そういえば、むかし患者さんのご家族に
 観音様だって言われたことあるわ」
「なーるほど…この包み込むようなまなざしが似てるんだ」

早起きしてしっかりミッション達成したおかげで、
とても気持ちの良い時間を過ごすことができました。

「『こらんしょ』に来られるご家族の散歩にも良いね」

磐梯吾妻.jpg

この日も秋晴れで、遠く磐梯の山々が見えています。
こんな場所で暮らせたら、こんな人たちが支えてくれたら
私なら何も怖くないと思いました。

家族を支える人をしっかりと受け止める家と
包み込む人々がいると実感しました。

私と同じ関西から駆け付けた堤さんの
「代表がなぜ福島を選んだか、わかるような気がする」
その一言は、私の中でコトリと音をたてて
胸の中に落ちました。

『ここさ こらんしょ』は、
いつでも腕を広げて迎えてくれるところです。

私にとっては熟女5人で楽しい合宿生活をした思い出の場所。

DSCF1997.JPG
私と一緒に「こらんしょ」で合宿をした皆さん。

10月12日、住む人を得た家はきっと喜んでいることでしょう。



皆さんの中で「こらんしょ」に興味を持たれた方
こらんしょチラシ.pdf

ボランティアを希望される方
詳細はホームページでご覧ください
http://www.nursejapan.com/


posted by 諾 at 13:06| Comment(0) | 旅日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

市民講座in福島番外編


引き続き 第一回市民講座『本音で語る広場in福島』

今回は番外編で終了後の交流会の様子を…


今回福島市で開催された『市民講座』は
財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の後援によって
福島市民医療生協の皆さんが準備を進めてこられたものです。

今回の責任者だった保(たもつ)さんは、忙しい業務の合間に
第一部のお話をしてくださるご家族との連絡から
在宅看護研究センターLLPの村松代表とのスケジュール調整
当日の運営や遠方のボランティアへの連絡まで
スタッフの皆さんと協力しながらも、大変ご苦労だったと
思います。
ありがとうございました。

市民講座in福島.jpg
司会進行はケアセンターすかわの期待の若手


赤ちゃんを連れて頑張ってくださったスタッフや
小さなお子さんを連れた参加者もおられ
和やかな雰囲気で、まさに『本音で語れる広場』でした。

終了後には、各地から来たボランティアも含めた
スタッフの交流会が『コラッセ福島』の最上階で開かれました。

福島の市街地が見渡せるレストランで
隣では結婚式の二次会が行われていて、夜景もきれいで…
地震の後は東北は明りが消えて真っ暗だったことを思うと
「あれから時間が経ったのだなあ」
と実感しました。

交流会は村松さんの教え子や、一緒にLLPの初期の仲間など
私以外の人はほとんどが久しぶりの再会。
村松先生を囲む『同窓会』みたいでテンション上がりっぱなし!

福島乾杯.jpg
充実感いっぱいのスタッフの笑顔


私も勝手に村松さんを『人生の師』と仰いでいるので
久しぶりにお会いできて、幸せいっぱい!
「村松代表のファンは多いからね〜」
とお仲間に入れていただきました。

介護の話あり、看護の話あり、それぞれの仕事の話から
果ては熟年離婚や離婚率の高さと介護保険の継続の関係の話まで
硬軟取り混ぜて大いに盛り上がりました。

早めに帰られる村松さんに、
今年のフローレンスナイチンゲール賞受賞のお祝いの花束が贈られ
記念撮影は秋の花が咲いたような、最高の笑顔でした。

福島同窓会?.jpg
花盛りの笑顔です


ちなみに私は後からしっかり『村松先生とツーショット』で
記念撮影をして、恋人といるような幸せな笑顔を見せてます。

お師匠様と私.jpg
しっかりハグしてもらった私♡


福島の夜はあっという間に過ぎて、満月に近い丸い月が高く上るころ、
皆さんと別れを惜しみました。

この後は遠方から来た5人の熟女が、セカンドハウス「よりどころ」
『ここさこらんしょ』で宿泊です。

村松さんから「指令書を置いてあるから」との伝言もあり、
多少の緊張と期待に膨らむ合宿です。

では、続きはまた次回に。









posted by 諾 at 10:32| Comment(0) | 旅日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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