2010年03月20日

沈丁花の香り

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病室に沈丁花を飾っています。

入り口の洗面台と付き添用のテーブルに、沈丁花を飾ったら、病室中に良い香りがするようになりました。

主人が庭にあるのを持ってきてくれたのです。

それまで排泄物や吐いたものなど何とも言えない臭いが充満していて、いくら換気をしても、消臭スプレーをしても、効果が続かなくて部屋ではお茶も飲めない程でした。

食欲が無くなり、ベッドの上の義父の言葉を聞こうと屈みこむ度に吐きそうになりました。

本人のせいではないのに、ひどいと思いながらも窓を開け、消臭スプレーを撒きました。

それが沈丁花を置いてしばらくすると、柑橘に似た爽やかな香りが周りに漂いはじめ、すぐに義父の臭いを消してくれたのです。

主人も見舞いの度に換気をしていたのですが
「沈丁花の匂いがするな」と
余り気にしなくなりました。

私が義父の臭いに耐えられないのは、その臭いの記憶もあるのです。

私が小学生の時、祖母が危篤だと駆けつけたら意識のない祖母がいびきをかいて眠っていました。
中学の時肝硬変の伯父が亡くなる前のお見舞いでも、9年前義母が亡くなる前日の病室でも、今の義父からと同じ臭いがしていました。

私の記憶の中にある『死』の臭いがオーバーラップして、堪らなく嫌なのです。

人間が作った人工的な香りでは、どうしても勝てなかった『死』の臭いに、生きた花の匂いが勝った事が嬉しくて、元気が出ました。
娘が沈丁花の英語名がダフネだと教えてくれました。

ギリシャ神話に出てきた乙女の名前かしら。

同じ名前の星もあったように思います。

小さな白い十字架のような花は、義父の死神を追い払ってくれているように感じます。


posted by 諾 at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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