2011年10月11日

本音で語る広場in福島(第二部)


前回の続きです。

第2部で、グループワークです。
震災の時はどうしていたかを3人の福島のみなさんに聞きました。

「往診中でドクターと研修生と看護師で、寝たきりの利用者さんを
おいて家族も逃げられず、全員で倒れ掛かる家具を支えながら
利用者さんを守った」

「訪問の途中だったので、エレベーターの止まったマンションの
階段を歩いて登って、安否を確かめた」

「7か月の赤ちゃんを連れて買い物中で、ガラスが割れる中買い物も
できなくなり、離乳食に困って母乳も出なくなった」

「外出中だったので、余震で車が止まっている中自宅への道を
必死で走り続けた」

大津波の映像や、崩れ落ちた建物や道路の映像でしか知らなかった
あの瞬間の人々の様子が語られました。
目の前でその人の言葉で語られる様子には、生活があります。
訪問看護をしている人たちは、家族よりも自分の安全よりも
まず利用者さんの安否を優先されたのです。

「もし、一人で訪問していて一緒に家具の下敷きになったら、
助けることもできないし、ここは自分の身の安全を優先させる
とは考えなかったのですか?」

わざと意地悪な質問をしてみました。
「それでも、守ることを優先します」
ときっぱりとした返事が返ってきました。

自衛隊もすごかったし、米軍も、各国の救助隊もすごかったけど
日常業務の中でこれほどに自分の使命を全うした人が
たくさんいたからこそ、人々はその後を耐えられたのでは
ないでしょうか。

南相馬のご家族も、避難生活の中でも一緒に真剣に看取りを
支える人々がいたからこそ、今の笑顔があるのではないか?

首都圏であの震災後「うつ」になる若い人が増えたそうです。

介護が必要な人を抱える家族は日常でも弱者と考えられます。
なのに、こんなに明るくて強くてしっかりと苦難を乗り越えていく。

それはきっと、介護する家族から必要とされていて、しかも
独りではなく多くの人たちとともに家族を支えることができるから。

人はつながることで強くなるのだと実感しました。
無意味に天を呪うよりも前向きに感謝の心で生きる道を選べる。

利用者さんを守り続けた人たちも、守るべき人がいたから恐怖を
乗り越えられる。支える人からの感謝が次の仕事へのエネルギー。
そして、家族はそういう人々の温かい心に支えられている。

それが、グループワークの終了後に出た回答でした。

グループワークの発表で、私はその感想を述べましたが、
ほかのグループも人の絆、つながりの大切さを実感されたようです。

最後に在宅看護研究センターLLP代表で
今年フローレンスナイチンゲール賞を受賞された
村松静子(むらまつせいこ)さんが、まとめのお話をされました。

村松先生2.jpg
まとめのお話をされる村松先生


「先ほど『今日は喋りすぎるなと言われたのに、聞いてくれると
思うとすっかり話しすぎました』とご家族が言われましたが…
それこそがこの会の目的なんです。
聞いてくれる人がいるからこそ本音で語れる。
すばらしい、ぜひ次回も開催してください」

「ご主人の最後の言葉が聞き取れなくて心残りだと仰ってたけれど、
心配しなくていいです。
『ありがとう、頼むよ』このどちらかです。
看護生活45年の私が言うんだから間違いありません。」

「『自分の時も自宅で』そういう気持ちにするほど、在宅医療や
ケアを尽くした皆さんがいたから。
介護は長さではなく、場所でもない。
10日間の在宅での看取りであってもご主人は満足されたでしょう。
避難中で自宅で看取れなくても、病院で家族全員が見守ったこと
それこそが本当に大切なことなんですよ」

村松先生.jpg
静かに語りかける村松先生


一言一言に、ご家族や関わったスタッフの方へのねぎらいの気持ちが
溢れていて、村松さんの言葉はいつでも優しさに満ちています。

福島にセカンドハウス「ここさこらんしょ」を作られたこと
出会いがあって、12日から入居される方のこと
たくさんのご家族の愛情や、支える人の思いやりが
形になることへの喜びが静かに語られ、私まで嬉しくなりました。

あっという間の3時間半。
最後に保さんが閉会の挨拶をされましたが
きっと準備から開催まで、いろんなご苦労があったのでしょう。
時折、言葉が途切れそうになりながら無事に終わったことへの
感謝の言葉がありました。

挨拶.jpg
今回の責任者の保さん。ご苦労様でした


私はとにかく「来て良かった!」
「厚かましくないかしら?」「お邪魔じゃないかしら?」と
くよくよぎりぎりまで迷っていたのですが…
「来て良かった。
福島の人と話せて良かった。
話を聞けて良かった」

と、胸がいっぱいで幸せでした。

地震なんて関係なく、その後も普通の生活をしていた罪悪感から
引け目を感じていたのですが

心配なかった!

福島は元気だし、明るいし、強くて、優しい。

次回はこの続き、福島の美しい名所を旅したことを書きます。

市民講座2回目も行くぞー!



posted by 諾 at 15:40| Comment(0) | 旅日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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