2013年06月13日

お勧め本その1「しあわせの社会運動」津止正敏著


ブログを更新するのは久しぶり。

最近は移動中にfacebookで色々と更新するので、ネタがない…
と思っていたのですが、ありました!

大阪・京都・滋賀・兵庫、毎日のように出かける私の移動時間は
田舎に住んでいるため半端じゃなく長いので、
当然、fbだけでなく、読書の時間にもなります。

それならブックレビューを書いてみようというわけで
ブログでも紹介することにしました。

前振りが長くなりましたが、今回は先日出版記念のシンポジウムにも
参加した立命館大学教授 津止正敏著「しあわせの社会運動」です。

この本は京都の障害児・者の生活と権利を守る連絡会(京障連)が
発行する月刊誌「ひゅうまん京都」に11年間にわたって連載された
コラムを収録した本です。

内容は障害児とその親たちの生活支援のことから
高齢者、特に単身高齢者のくらしに関する調査
男性介護者のこととご自身の介護のことなど多種多様。

公私にわたるその時々の出来事とそれに対する津止氏の想いが
書き記されています。

私自身が津止先生を知っているため、読んでいると
本を読んでいるのではなく、どこかの居酒屋で
一緒に語り合っているような気がしてきます。

でも、それは著者を知っているからというだけでなく、
それ以上に津止氏が読者にしっかりと語りかけているからです。

大学教授の本というと、堅苦しい研究の本のような印象を持つかもしれませんが
この本は研究について書きながらも、そこに関わる学生の姿勢や
研究調査という行動の中での人間「津止正敏」の心が記されています。

特におもしろいのは、11年間という時の経過を、読んでいて感じること。
最初のページはまだ津止氏49歳だったのが、お終い近くには還暦とあります。
文章だけで感じるのではなく、社会の移り変わりがきちんと見えるからです。

毎回600文字程度の短いコラムの中に、社会の事象をきちんと盛り込み
社会運動との関連で自身の考えや意見も述べているのは、
さすがと言わざるを得ません。

大学教授の本らしく数字によるデータや調査結果のコメントなどが
伝えられ、明快な論拠が示された理論的な文章であるのに
読み物としての面白さにグイグイ惹きつけられていくのは
やはり、その語り口にあるのでしょう。

特に遠距離介護のお母さんのことを書いたページでは
息子が母を見るときにある深い愛情がジワっとにじみ出ていて
胸を突かれます。

表紙や各章の挿絵に津止氏と深い縁のある渡辺あふる君の絵が
使われていますが、これが一層すばらしいものにしています。
彼は養護学校に通っている時から絵を描いて卒業後は個展も開いています。

最後に、最も印象に残る一文を。
「福祉の世界はいつも一足早く時代を走っている」

最初のページの末尾に書かれたこの言葉の意味を
知りたいと思った方はぜひとも書店で手に取ってください。
先の時代を知りたければ、福祉の世界を見ればいい
それは、いつか向かう私たち自身の未来です。

お近くの書店にない方のための情報です。

「しあわせの社会運動」人がささえあうということ
津止正敏著 「ひゅうまん京都」編
発売元 鰍ゥもがわ出版
TEL 075-432-2868
http://www.kamogawa.co.jp/



posted by 諾 at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | お役立ち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月17日

災害ボランティアで筆談を


今回の東北地方太平洋沖地震の被災地と被災された皆様

私たち関西に住む者は、なすすべもなく連日ニュースを見るたび

ひたすら一人でも多くの方の無事と、地震が収まり

原発事故が鎮静化されることを祈るばかりです。


でも、私ができることを少しでもしたいと思います。


私は要約筆記の奉仕員というボランティアをしていました。

これは、途中から耳が聞こえなくなった方や

加齢のために耳が遠くなった方など

手話ができない難聴の方のために

筆談で通訳するボランティア活動です。


被災地に行っても、私たち素人ができることは少ないでしょう。

むしろ、早々と行けば邪魔になるばかりかもしれません。

でも、心に大きな傷を負った人々を慰め、元気付けることは

誰にでもできることです。


その中で特にお年寄りは、

自分が他の人の負担になっていると感じたり、

なぜ若い人ではなく自分のような年寄りが助かったのか・・・

そんな気持ちから、若い人以上にストレスを感じる人や

身内を失ったショックから

認知症のような症状を起こす方も多いと聞いています。


そんなとき、何よりも大切なのは、ただ一緒にいて話を聞くこと、

正確な情報をきちんと伝えてあげることではないでしょうか?


ボランティアで被災地に行こうという皆さん

できれば、ノートとサインペンを持って行って下さい。

こちらが大きな声を出さなくても、ひとこと紙に書いて見せる。

いえないことも書いてもらうことはできるかもしれません。

口が聞けない人にも欲しいものをたずねることができます。

頷いてもらう、首を振って否定するなど。


筆談にはコツがあります。


話し言葉をそのまま書いても、逆に普通に文章を書いても

理解しにくい場合があります。


たとえば「何かして欲しいことはありますか?」と聞く時は

紙に大きく「何が欲しい?」とか

「寒い?」とか

「お腹がすいてる?」というように

直接的に書いて聞きます。


病状を聞くときなどは、なおさらです。

お医者さんが「どこか具合は悪いところはないですか?」と聞けば

そのまま書くのではなく

「痛いところは?」
「吐き気は?」
「寒気は?」

などと分解して書いて聞きましょう。

見て理解するのは、

普通に言葉を聞いて理解するよりも、ずっと難しいのです。


普通に話しているのに、どうも話がかみ合わないというときは

ストレスによって突発性難聴になっている事も考えられます。

音は聞こえても周囲の音から言葉だけを聞き取る力が

大きく損なわれて、意味が理解できないまま返事をしている

そういうことも考えられるからです。


特に体育館などの避難所では声が響いて少しでも難聴があると

とても聞き分けにくい状態です。

筆談で正確な情報を伝えてあげるだけで、ストレスは軽くなります。


耳が聞こえないことの不安と疎外感は、

経験した人でないとわかりにくいものです。


実は私はこれまでの人生で2回難聴になりました。


1度目は18歳の時に、発熱による両耳の中耳炎の後遺症で。

元に戻るまで5年くらいかかりました。


2度目はストレスと過労から2年前に突発性難聴になりました。

どちらも幸い全快しましたが、

雑踏の中での電話は、今も苦手です。


これから、被災地に行かれる方がいましたら、どうか紙とペンを

もって行って下さい。


もし、要約筆記について詳しいことを知りたい方は

全国要約筆記問題研究会
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/

また、都道府県で5日間から7日間程度のカリキュラムで

「要約筆記奉仕員養成講座」を、開催しています。

一度お住まいの行政の窓口に問い合わせてみて下さい。



posted by 諾 at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | お役立ち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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