先日福島に行った時に、「こらんしょ」に
泊めていただいたという話をしましたが、
今回は「こらんしょ」の宣伝を勝手にやってしまいます。
まず、正式な名称は…
セカンドハウス「よりどころ」inふくしま
『ここさ こらんしょ』
「ここさ、こらんしょ」は「ここへ、いらっしゃい」の福島弁です。
在宅看護研究センターLLPの村松代表が、3.11の地震の後
息の長い支援を行うために設立されました。
福島市内の静かな住宅街にある、ごく普通の住宅です。
玄関に手作りのかわいい看板がなければ、誰もここが
特別な場所とは思わないでしょう。
原発の警戒区域で避難生活をされているご家族
津波や地震で家を失ったご家族
そんな中で在宅医療が必要で、避難所生活や仮設住宅での
生活が難しい方が、一緒に寄り合って暮らす場所です。
自分の本当の家ではないけれど、
いつでも行って泊まれるセカンドハウスとして、
心と身体のよりどころとして
作られました。
これまで在宅で療養していたのに、在宅療養ができず入院している
治る見込みのない末期の病人をできれば自宅で看取りたい
そんな方を介護する人と一緒に
ここで受け入れるためです。
全国からボランティアの看護師さんが来て、そんなご家族を
しっかりと支えるのです。
もちろん中心となるのは地元の在宅看護の皆さんです。
私はもちろん初めて訪問しましたが、自分の家や実家に帰ったような
ほっとして寛げる雰囲気がありました。
普通の家だからです。
隅々まできれいにお掃除されて、玄関には季節の野花が飾られています。
茶の間には掘りごたつがつくってありました。
台所は広くて明るく、お風呂もゆったりした湯船で
きっと手足を伸ばしてゆっくりお湯に浸かってもらおうという
心遣いなんだろうなと感じました。
私たちは「こらんしょ」にただ泊まりに行ったわけではありません。
村松さんからしっかりA41ページ分の文書による指示を受けて
備品の移動、12日からのご入居に向けての最終の整備を
しなくてはなりません。
指令書をリーダーの細井さんが読み上げ、さっそく行動開始。
備品の移動を終え、お茶を入れる堤さん。
指令書には、頂きものの梨を食べることもあったので
それもクリア。
ふかふかのお布団を掘りごたつを囲むように敷いて
あっという間に、眠りについたおかげで
翌日の起床時間6時には自然に目が覚め、5人で分担を決めて
仕事を済ませます。
私は朝ご飯担当。冷蔵庫にある食材とたっぷりの果物で
豪華な朝ご飯になりました。
おかげで、私は次もお料理当番として「こらんしょ」の
ボランティアスタッフの座を獲得できました。
次なる指令は、生ごみ出しと観音様にお目にかかること。
指令書を片手に、全員でミステリーツアーです。
最初のミッションは簡単に終了。
次は観音様。
スタート地点のコンビニでぐるりとあたりを見回すと
ありました、五重塔!
右手に見ながら、歩いていくと思った以上に立派なお寺が。
五重塔は新しくてピッカピカでしたが
本堂と観音堂は古くて由緒ありそうです。
そこへお寺のご住職さんがお掃除に見えて、私たちのために
お堂を開けてくださいました。
ひとつひとつ説明もしてくださって
最後のミッションである観音様のお顔も拝見できました。
「このお顔、代表に似てない?」
「あー、似てる!!」
「そういえば、むかし患者さんのご家族に
観音様だって言われたことあるわ」
「なーるほど…この包み込むようなまなざしが似てるんだ」
早起きしてしっかりミッション達成したおかげで、
とても気持ちの良い時間を過ごすことができました。
「『こらんしょ』に来られるご家族の散歩にも良いね」
この日も秋晴れで、遠く磐梯の山々が見えています。
こんな場所で暮らせたら、こんな人たちが支えてくれたら
私なら何も怖くないと思いました。
家族を支える人をしっかりと受け止める家と
包み込む人々がいると実感しました。
私と同じ関西から駆け付けた堤さんの
「代表がなぜ福島を選んだか、わかるような気がする」
その一言は、私の中でコトリと音をたてて
胸の中に落ちました。
『ここさ こらんしょ』は、
いつでも腕を広げて迎えてくれるところです。
私にとっては熟女5人で楽しい合宿生活をした思い出の場所。
私と一緒に「こらんしょ」で合宿をした皆さん。
10月12日、住む人を得た家はきっと喜んでいることでしょう。
皆さんの中で「こらんしょ」に興味を持たれた方
こらんしょチラシ.pdf
ボランティアを希望される方
詳細はホームページでご覧ください
http://www.nursejapan.com/